2008年7月7日月曜日
思いがけない出会い ルイ=イカール
思わぬ場所で、嬉しい出会いがありましたの!
昔ながらの珈琲茶屋、ギャラリー&カフェ、セルフサービスのカフェ・・・
我が家の近くにはたくさんのカフェがあります。
閑静な住宅地区に相応しく、こじんまりと落ち着いたカフェにも恵まれております。
今日は、どういうわけか、いつもと違うカフェに足が向きました。
そこで出会ったのが・・・【ルイ=イカール】!!
私の大好きなアーティストのひとりです。
「こんなご近所様にいらしたのね?どうして今までお会いできなかったのかしら?」
「最近は1920年の紐育(N.Y.)に出掛けることが多く、不在がちでした。」
「あら?お生まれは仏蘭西では?」
「さようです。南西部はトゥールーズの生まれで。
しかし、巴里に憧れる亜米利加人には大きなご支持をいただき、
1920年代の紐育の個展は私にとっても特別な想い出なのです。」
「1920年代の紐育ですか。<華麗なるギャッピー>の舞台ですわね。」
「ニューオリンズで生まれたジャズが紐育に根付いた頃でもあります。」
「あなたのエッチングから、あの繊細な衣装を纏った女性達が、
そのような背景で活躍なさったったこと、何と申し上げましょうか・・・」
「似合わない、ですか?」
「あなたのエッチングにはバロック音楽だと思い込んでおりましたわ。
でも、今、気がつきましたの。ジャズもお似合いですわ。」
「初めての個展はバルセロナでした。」
「それはまた・・・」
「太陽には似合わぬ、ですか?」
「あなたのエッチングは、陽が傾く頃や、
夜の帳がおりた頃がお似合いかと思っておりましたが・・・」
「太陽も月も、朝も夜も。」
「今、気がつきましたの。光の量、それぞれの魅力がございますわね。」
今まであなたと出会えなかったのは、きっと私の先入観のせい。
時計の針をゆっくり進め、いえ、止めてしまってもかまわない、
緩やかな時間の流れの中で、心も剥き出しにして、
目の前にあるものをそのまま受け入れよう。
薀蓄も、学術も、知識も、
赤が暖色系とか、青が寒色系とか、そんなことすら邪魔。
心を透明にして、心をコットンの繊維のように毛羽立たせ、
この世の中の気持ち良いもの全てを吸収し、同化しよう。
何十年、何百年が過ぎ、私の存在を誰も知らなくなった頃、
私の魂は誰にも気付かれず、大好きなものと同化して浮かんでいるに違いない。
だあれも気付かない黄色くまあるい光の珠。
その中に、輪廻転生を拒否した意思と宝物が濃縮されて、
私は邪魔されることなく、永久の至福を得続ける。
七夕に相応しい出会いでした。