2008年6月30日月曜日

ABBEY LINCOLN  【First Song】

先ほどに続き、もうひとつジャズの思い出を。

同じくベルギーでのお話だけど、
マル=ウォルドロンさんご一家と共にジャズのライヴに連れていっていただいた。

ジャズの女王らしい風格とパワーの持ち主だと教えていただいた。
そうして訪れたのがアビー=リンカーンのライヴ。
女王が手を開けばオーラに包まれ、
女王の声が高らかに響けば、人々は圧倒的なパワーにかたまっていた。

楽屋にお邪魔して、マルさんとアビーさんのお話の場にご一緒させていただいた。
ビリー=ホリディを始め、お亡くなりになったジャズミュージシャンの思い出話に花が咲き、
私は場違いなところに居合わせてしまったようにばつが悪かった。

いやだったのではない。あくまでも、ばつが悪かっただけ。
すご過ぎる。マルさんもアビーさんも。迫力が違う。
同じ場所にいながらも、異なったふたつの時代が進行しているかのように、私だけが身を潜めていた。

長い時間を知っているってすごい。
歴史を積み重ねたってすごい。
仲間と昔を懐かしむまで、永く生きていられるってすごい。
私にもそんな日が訪れることはあるのだろうか?生きているのだろうか?

アビー=リンカーンの【First Song】・・・これも雨の夜にしみるなぁ。