2007年2月20日火曜日

限られたもの

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画像は顔出NGだった愛犬。あまりにもカワイイのでやっぱり公開しちゃいます!

去年の11月に大きな手術を済ませ、心配の毎日が続いたが、今はすっかり元気になっている。でも、今夏で8歳。大型犬の寿命は10年、それ以上はおつりと思った方がいいと言われているから…早ければ2年で逝ってしまうことになる。
そんな自分の寿命が見えているかのように、愛犬は時間を惜しむかのように甘える。最近の甘えん坊ぶりは激しい。

寿命が限られるってことを知る気持ちってどんなんだろう?迫り来る死に怯えるのだろうか?足掻くのだろうか?腹を据えるのだろうか?不安定になるのだろうか?…想像つかなかったものが、実感となってくる時。

余命宣告されたまだ若い女性がいて、残りの1ヶ月を穏やかに過ごしている。ストレスを避け、好きな人と濃い時間を過ごしている。愛犬が甘えん坊になるのもこんな気持ちなのだろうか?

彼女は死の恐怖を感じたことがないのか?不安定な時期などなかったかのように穏やかで、優しい。
私なら、不安定な時間を長く引きずる。あんなに穏やかにはなれない。
彼女は自分の崩れゆく姿を見られるのに、抵抗はないのだろうか?

死をリアルに想像すると腹が据わってくる。確かに時間はかかるけれど、少しづつ慣れる。その不安定な時間が長い、早いの違いって何だろう?
彼女は余命宣告されてからたくさんのことをやった。土壇場で本性が出ると言うけれど見事なものだった。

時間が限られたものであるとしたら…私には足りない。朝まで時間を使っても、何もできず、ただ佇むだけで不安定になって泣いて、そんな要領の悪いことを繰り返しているうちに死んでいまいそうだ。

神様は良い人を早く天に召すと言われる。この世は修行の場だから、早く修行を終えた人は早く卒業してゆくそうだ。美人薄命って言う。若くして死をむかえた伝説の美女など思うと、そうなのかも?と思う。

しかし、どちらも私には無縁。…じゃあ、私は長生きだな!そんな風に安心して、それでも限られた時間を想像すると、また悲しくなる。

彼女からの便りの間隔がどんどん長くなってゆく。いつか、便りはなくなる。

時間だけじゃなくって、この世の中に限られたものはたくさんある。人それぞれ、限られたもの、かけがえのないものを持っている。誰かの死、それはその中のひとつを失うこと。
そうやって重いものを少しづつ捨てて、少しづつ身軽になって死んでゆくものなのかもしれない。
それでも、人の死って出来れば看取りたくないよね。