以下、メルマガより抜粋。
��****
「サウダージ」の意味を質問された。言葉にするって難しい。
「ボサノバで有名なポルトガル語。懐古趣味のようなもの?感覚?」とお答えし、大きくはずれていなかったようでホッ。
無教養なもので、感覚だけで生きている私。引き出しに知識がない。
目に見えるものについては、懐古趣味的なところがあるのかもしれない。
だけど、生き方としてはあまりないのかもしれない。
もちろん思い出はある。でも今が一番大事。そして、未来のことも考える。
そんな私には、「サウダージ」も大切だけど、「メメントモリ」も常に忘れ得ぬ言葉。
ラテン語なのですが、「メメント」はメモをするの語源。「モリ」は死ぬ。「死ぬことを忘れない」と言う意味。
以前付き合っていたフランス人が、教えてくれた言葉です。映画や小説のタイトルにもなり、今ではご存知の方も多いと存じますが、前は親しみのある言葉ではありませんでした。
西洋画や映画で、書斎に頭蓋骨がおいてあったりしますよね?あれも形に見えるメメントモリの一種でしょう。
「メメントモリ」
この言葉の説明を聞いた時、退廃的を通り越し、絶望すら覚えました。
しかし、随分時が過ぎ、その言葉は未来を語る言葉であることを感じました。
「死は未来に訪れるもの。」
誰にでも必ず起こる平等な出来事。輪廻転生を繰り返すとしたら、小さなひとつの節目、出来事でしかないのでしょう。
いつしか私はこの言葉に感情を抱かなくなりました。
恐れることもない、当たり前であること、必然的な言葉。
サウダージとメメントモリ、過去と未来、生きてきた証と死にゆく確約。
逆のようだけれど結局、時間という線で繋がっている。
あなたか必ず死ぬと予言しましょう。
大丈夫、絶対死にますから。
それまでの時間を大いに楽しみましょう。
私たちは、多くの犠牲を土台に生きています。それは、性を与えられた瞬間から始まります。
例えば、受精。そして、人間の形を成してゆく段階。
今までは順序よく細胞分裂が繰り返され、増えてゆくとされていました。
しかし、最近の研究ではそうではなく、
最終的な形のみが決まっているとされているそうです。
最終的な死のみが決まっているにと似ています。
細胞分裂とされてきたものは、実は細胞の自殺だったのです!
驚くことに、私たちは弱肉強食の仕組みの中で犠牲を生むだけでなく、自分自身の中においても、犠牲を生んでいるわけです。
多くの細胞が自殺を繰り返し、犠牲となり、胎児の形へと成してゆくそうです。
細胞分裂は遺伝子レベルの化学反応と言われていますが、この話を聞く限りでは、細胞のひとつひとつに意思があるとしか思えません。
ちなみに、細胞分裂をするにあたって、誰もが最初はメスであることから始まります。妊娠6週から、性別か変わってゆくそうです。
メスは最初からメスなので楽ですが、オスになってゆく時はもっともっと細胞分裂を繰り返すことになります。
メスに生まれることが当然なので、オスになると決まった瞬間から、たくさんの細胞分裂=凄い努力と苦労を強いられることになるのです。
その細胞分裂を失敗すると、メスになってしまいます。
だから、女から男より、男から女に性転換を希望する人の方が多いそうです。
何にでもBDSM的な話に繋げるのはよくない癖だと思いつつ、申し上げます。
強いられる細胞分裂・・・これは、オスはマゾとして生と受けると都合良く噛み砕くのも有りですか?(笑)
細胞分裂=細胞の自殺であるとするならば・・・
私たちは死をもって生を受けてきた。常に死は内にあるもの。
細胞に組み込まれた大切なことを忘れてしまうから、わざわざ「メメントモリ」なんて言葉が出来たのでしょう。
さぁ、死ぬまでの時間。
どのように楽しみましょう。
死の瞬間、後悔なきよう過ごしましょう。
ちなみにラテンというキーワードで書かせていただきましたが、
日本にも多くのメメントモリが存在します。
まだ深くを知らぬ密教にもメメントモリの存在を多くみます。
地は離れていても奥そこに眠る思想は同じだと感じます。<fin>
��次は、サウダージと土方の孤独へ>