2010年4月24日土曜日

死体にすらなれない。


犬や猫の特集をよくするCreaという雑誌を手に取り、
微笑ましい犬たちの写真の並ぶページをぺらぺらと眺めていた。
あるページに手を止めざるを得なかった。
そのページには何とも言えない悲しさが溢れていて、
その理由を30秒後に知った。

前もこの雑誌で特集していたけれど、
保健所で「処分」されてゆく犬たちの記事だ。
写真を見て悲しさを感じたのではなく、
悲しさが溢れていたから、手が止まった。

まさに「抜け殻」となった犬たちが「廃棄」される写真。
死体や遺体と言うよりも、
もっと無機質なモノ化した犬たちに心が痛む。
愛や喜びを受けた生を過ごさないと、
「死体にすらなれない」のかもしれない。

「日本に真のジャーナリズムなし。」
そう思っていたけれど、こんな写真が掲載されるだけで
灯火はあるのかもしれない。

受け手の心が鈍っているのかな?
こんな悲しい写真が何度も掲載されているのに、
どうして事態は改善されないのだろう?
人間って意外と理性も良心も小さいのかもしれない。