2007年12月19日水曜日

素敵な場所より大切なもの。

M


今日の画像も取材を兼ねたベルギーのソワレの時のもの。
豊満な肉体のこのM女性、檻に縛られて多くの男性に囲まれていたり、こうして吊されていたり、まるでオブジェのようだった。
何も考えていなくとも、「O嬢の物語」が浮かぶ。フランスらしい物語。映画もいいし、小説もおすすめ。

��嬢は恋人ルネに連れられて、ある館を訪れ、女奴隷としての調教と試練を受ける。
��嬢は裸にされ、首輪と腕輪による拘束・・・どころか時には、縛られ、鞭を打たれる。
恋人ルネの命であれば、他の男に身体を差し出すことさえ、抵抗してはならない。

屈折した愛の形、そして、ルネの兄弟同然の、残酷なステファン卿の登場。
��嬢はいつしかルネを通し、残酷なステファン卿を愛し、隷属するという自由を得る。

私は女性だけれど、こんなM女性を見ていると、まるで自分が残酷なステファン卿であり、誰かからM女性の調教を依頼されたような気分になる。

この女を立派に仕込んで・・・
この肉体をもっと淫らに調教して・・・
なーに、抵抗したら鞭を与えればいいさ・・・
許しを乞おうが、玩具にして気絶するまでいかせてやれ・・・
奴隷の印に、私のイニシャルの烙印とピアスでも入れるか・・・

��嬢の話と妄想はさておき、実際ベルギーの館のサロンの真ん中には、暖炉がある。
白シャツに革パンツ、首輪を付けた男奴隷が、この暖炉でよくステーキを焼いてくれた。

弾ける火の粉を見ていつも思うのは、烙印だった。
肉の焼ける匂い、奴隷が息をのみ、一瞬目をやる宙。
吹き出る汗、赤から青白く変わる顔色。

残酷行為の後の興奮、哀れみと倍になった愛おしさ。関係の確認。
・・・そんなことがあったと、思い出す。

渡欧する度、どうしてもその場所の素晴らしさ、自由な空間を語ってしまう。
確かにロケーションにも恵まれているし、感性豊かな仲間達が演出する空間は居心地が良い。

だけど、あの場所が素晴らしいのは、ロケーションがいい、インテリアがいい、空間がある・・・からではない。
同じ世界を求め、ビジュアルを共有し、感性をぶつけ合い、何よりも積み上げた関係のカップルや、心から楽しもうというピュアな人々が集う空気。
これが場所の良さ以上、数倍の価値がある。

良い場所、良いロケーションよりも、誰とそこにいるか。
馬小屋の傍らでもパートナーや仲間が素晴らしければ、きっとそこは官能と背徳と、残酷と甘さに満ちた、素敵なダンジョンに早変わりする。

結局、BDSMは人である。


そうそう、ベルギーの館のあの入り口は、今回は解放されていたけれど、
いつもはあの並木小道を少し入ってゆくと、オートマチックのゲートが開き、迎えてくれる。
O嬢がその後に目隠しをされたと考えると・・・素敵な始まり、誘うということを真剣に考える。
小説まで書けたらリアルにお伝えできるのですがね・・・誰か、書いて。取材とネタはお手伝いします。(笑)

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